帯状疱疹後神経痛
いわゆる胴巻きと言われる病気です。水疱瘡にかかると、水疱瘡はなおった後も、ウィルスは体の中の神経節にのこっています。普段は免疫力でウィルスは押さえ込まれています。このウィルスに対する免疫力が下がると、神経にそって神経を破壊しながら、皮膚まで出てきて水泡となります。水疱がでる1日から2日前よりぴりぴりとした違和感を感じます。
皮膚の水疱は1週間から10日で治癒します。皮膚に比較して神経は治癒するまでに時間がかかり、神経痛は多くの方で長引きます。帯状疱疹後の神経痛は、数ヶ月から一年程度で痛みが治まる方が多いですが、中には数年かかる方もおられます。
神経痛の治療には、神経ブロックや神経痛薬の内服治療が中心となります。より早期に痛みを治めることで、神経痛が悪化、長引くことを防止することができます。
三叉神経痛
顔の感覚は三叉神経が司っています。
三叉神経は、第Ⅰ枝(眼神経)、第Ⅱ枝(上顎神経)、第Ⅲ枝(下顎神経)の三つの枝に分かれています。
三叉神経痛の症状としては、片側の顔、歯茎の激痛などがあります。刺激で痛みが出やすいため、食べ物のかんだ時、口を動かした時の痛みが強く出現します。歯科で歯の痛みとして治療され症状が悪化する症例もあります。
原因は脳から三叉神経が出た後に、小さな血管が圧迫している場合もありますし、はっきりとした原因が分からない時もあります。圧迫している血管が分かった場合は、全身麻酔下に顔面神経を圧迫している血管を外科的に剥離する手術法(神経血管減圧術)があります。また、神経ブロックを用いて神経の伝達を抑制する治療法と内服治療を併用して行う治療法もあります。テグレトールなどの三叉神経痛に有効な内服薬があり、痛みをコントロールします。
眼瞼けいれん・片側顔面けいれん
まぶたや顔がけいれんする代表的な病気として、片側顔面けいれんや眼瞼けいれんがあげられます。
まぶたの不快感、まぶしく感じる、まばたきが多くなるなどで、ドライアイと自覚症状がにた、初期症状がでます。けいれんの症状が進行すると、まぶたが頻繁にけいれんし、目をうまく開けていられないため、人や物にぶつかるなど、生活に支障が出るようになります。さらに進行すると自分の意思ではまぶたをあけることができなくなり、視力には問題ないのに機能的に盲目状態になります。
眼瞼けいれんとは、目の周りの筋肉がけいれんして、目があけにくくなり、まばたきがうまくできなくなる病気です。一側ではなく両側の眼瞼がけいれんすることが多くみられます。脳の頑健運動を司る部位の機能障害によって生じると考えられています。 しかし、発症の原因が完全には解明されていないため、症状を抑える治療が中心となっています。ボトックス(※)を用いて目の周りの筋肉の収縮を抑制する治療法や、向精神薬や抗てんかん薬などを内服する治療があります。
片側顔面けいれんは、通常、片側の顔面筋が自分は意図していないのにけいれんし続けてしまう病気です。 発症の原因としては、顔面神経が脳から出る部分で、小さな血管によって圧迫されるために起こることが多いと考えられています。治療法としては、MRIなどで責任血管が見つかった場合、全身麻酔下に顔面神経を圧迫している血管を外科的に剥離する手術(神経血管減圧術)があります。またボトックス(※)を用いて目の周りや顔の筋肉の収縮を抑制する治療があります。
※ ボトックスとは、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素を有効成分とする注射剤です。神経から筋肉への収縮刺激の伝達を阻害します。ボットックスの一回の注射で約3ヶ月程度、筋肉を弛緩させ、けいれんの症状を止めることができます。
この他にも肩、腰痛、首の痛み、下肢痛、ガンによる痛み、引き抜き損傷、手術後の痛み、などすべての痛みが治療対象になります。詳細はご相談下さい。