手術について

<白内障とその手術方法について>


眼の中のレンズの役割を果たしている水晶体が濁る病気です。糖尿病やアトピー、外傷など他の病気に伴う場合も有りますが、基本的に人間の水晶体はみな多かれ少なかれ年齢とともに黄ばみ、濁ってきます。
眼球の中にスリガラスができるわけですから、メガネをしても視力がでなくなったり、光がまぶしい、コントラストが落ちる、などの症状がでてきます。進行を少し遅らせる目薬は以前からありますが劇的な効果は期待できず、日常生活で困るようになれば手術適応となります。

<白内障手術>
手術方法 1 「水晶体超音波乳化吸引術」
手術方法は原則「水晶体超音波乳化吸引術」で行います。
小切開で行え、炎症や術後乱視を最小限におさえることが出来る現在主流の手術で、術後の視力改善も早いです。
所要時間は約15分で、ニデック社の最新機種Fortasを用い安全な手術につとめております。

<手術方法の実際>

黒目と白目の境目に約2.8mmの切開創をつくり、水晶体カプセル前面に円形の切開を加えます。

超音波発生装置を挿入し水晶体の硬い核を破砕吸引します。その後吸引装置で柔らかい皮質を吸引し、透明な水晶体のカプセルのみ残します。

眼内レンズを挿入します。レンズは6〜7mm径の折り畳みレンズを専用挿入機器にて小さな切開創から丸まった状態で挿入し、眼内で拡げます。大切に残しておいた水晶体カプセル内に眼内レンズをおさめます。創口は基本的に縫わず(縫うと乱視が生じやすいため)、形を工夫することで術後自然閉鎖する「自己閉鎖創」を用います。

手術方法 2 「自己閉鎖水晶体のう外摘出術」
進行した白内障、水晶体カプセルやその支えの弱い場合には上記超音波手術が難しいことがあります。その場合には「水晶体のう外摘出」を行います。これは一昔前の主流手術ですが現在でもしばしば用いられ、硬くなりすぎた水晶体核を丸ごと摘出する方法です。上記超音波手術と比較して傷口が大きくなりますので手術時間がのび、術後炎症や乱視が強めにでたり、術後視力の回復もやや時間がかかるという欠点がありますが、落ち着けば超音波手術と遜色ない見え方が得られます。
当院では超音波手術同様、傷口が自然に閉じる自己閉鎖創を用いて乱視発生を極力抑えた手術を行います。(傷が開くのを予防するために軽く縫う場合はあります。)

上記手術にて眼内レンズを袋に納める事が困難な場合には眼球に直接眼内レンズを縫い付ける縫着手術で対応いたします。

詳しくはお問い合わせ下さい。

当院の白内障手術への取り組みについて

全例日帰り手術で行っております。麻酔は点眼麻酔とテノン嚢下麻酔(白目に注射)にて痛みはほとんどなく、約15分の手術です。

白内障手術は「水晶体の透明性回復」のための手術であると同時に屈折矯正手術の側面も持っており、遠視・近視・乱視を正すまたとない機会です。当院では術後満足度の高い白内障手術を目指し、以下のような取り組みを行っております。

<術後乱視の低減>
1)小切開白内障手術
白内障手術時には切開による乱視変化(惹起乱視)が起こります。小切開手術を行うことで術後惹起乱視の低減に努めております。
2)トーリック(乱視矯正)眼内レンズの導入
従来、白内障手術に用いられる眼内レンズは乱視矯正が出来ませんでしたが、近年トーリック眼内レンズの登場によって乱視を打ち消す事が出来るようになりました。当院では一定度数以上の術後乱視が予測される場合には積極的にトーリック眼内レンズを使用しています。「見え方の質」の向上に大きく貢献するレンズで、使用した患者さんにも大変満足頂いております。
3)手術の切開位置
患者さんにより乱視の現れ方は様々です。軽度の術後乱視が予想される場合には術前の角膜形状解析の結果からその方に合った位置に作成すること(強主経線切開)で、術後惹起乱視を利用して乱視を減少させるよう心がけています。
4)角膜形状解析・屈折力解析装置 OPD-SCAN III 導入
角膜の形状解析と眼球の屈折度の解析を行う最新の機械で、角膜、眼内それぞれの成分を詳細に解析できますので白内障手術前後の屈折&乱視管理をより正確に行う事ができます。術前に不正乱視の検出や適切な眼内レンズの選択に貢献します。上記トーリックレンズ挿入後には早期から適正な角度にあるか確認できますので、必要に応じて修正も可能です。

<眼内レンズの選択>
1)眼内レンズの度数決定
定評のあるZeiss社のIOLマスターを使用しております。また混濁の強い方などは超音波Aモードも併用してより精度を高める努力をしております。
2)眼内レンズ種類の選択
各メーカーの球面&非球面レンズ、クリアorイエローレンズを取り揃えております。患者さんそれぞれのお仕事やライフスタイルも考慮して度数、レンズの種類等決定します。
・画家さんやカメラがご趣味の方などには術後の色の変化が自然なイエローレンズ
・将来硝子体手術や眼底レーザー処置の可能性の有る方には直径の大きめなレンズ
・黄斑変性や前駆病変の方にはフィルター効果の高いレンズ(イエローレンズやAMO社Opti Blueなど)
等々、相談の上決定させて頂きます。
眼内レンズには人間の眼の様な調節力はないため「遠近両方とも裸眼ですっきりとは見えない」事が最大の欠点ですが、術後ある程度裸眼で見えるようにするモノビジョン(片眼を遠方寄り、反対眼を近方寄りとし分担させる方法)も対応可能です。
また自費診療とはなりますが、多焦点(遠近両用)眼内レンズも扱っております。
詳しくはご相談下さい。
3)その他:多焦点(遠近両用)眼内レンズ
また自費診療とはなりますが、多焦点(遠近両用)眼内レンズも扱っております。
当院では主にAMO社製のテクニス シンフォニー オプティブルー、テクニス マルチフォーカルIOLを使用しております。当院では多焦点眼内レンズは高度先進医療の適応になります。詳しくはご相談下さい。

<感染症予防>
白内障手術のもっとも忌むべき合併症に感染症による術後眼内炎があります。非常に稀ではありますがひとたび起これば最悪失明もありえます。術中術後の抗生剤投与、点眼は勿論として、以下のような取り組みを行っております。
1)手術室内の浮遊細菌低減
手術室の空調はHEPAフィルターによるクラス10.000以上の空気清浄度を保ちます。また前室を設けることで汚染空気の出入りを極力抑えます。
2)手術創口
オーソドックスな自己閉鎖強角膜3面切開を基本としております。結膜で創口を完全に覆い1針縫合を加えますので、角膜切開に比べて手間と時間は若干増えますが、手術創が露出せず安全です。(ただし、後の緑内障手術が予想される方などは結膜温存のため角膜切開を行う場合もあります。)
3)術前、術中の無菌化
眼内炎の原因は元々眼周囲に存在する菌(常在菌)によるものが多いとされます。これに対し手術前からの抗生剤点眼による「術前減菌法」が有効とされ、当院では4日前から開始して頂いております。
手術開始時にはイソジン原液にて眼周囲皮膚を、PAヨードにて結膜嚢内の念入りな滅菌を行い、術中にも適宜術野の洗浄を行います。
眼内レンズ挿入後は感染の温床となりやすい粘弾性物質(術中使用薬剤)を確実に除去し、抗生剤(モキシフロキサシン)添加灌流液にて眼内レンズ裏まで眼内を洗浄して終了します。(Bag and Chamber Flushing: 松浦一貴先生(野島病院、鳥取大学))
安全で有効と思われる手技は適宜取り入れて参ります。

<眼瞼手術>

<眼瞼下垂症手術>
眼瞼下垂症は、上瞼が下がって、黒目に上瞼が被さり視野や視力が妨げられる疾患です。
瞼が被さって見えにくい、瞼を持ち上げると視界が広がる、目を開けておくのが疲れるなどの症状があります。
また、額の筋肉(前頭筋)を使って努力して眼を開けるため、額の皺などが生じやすく、顎を上げて見るなど姿勢の変化や他部位の筋肉に負担をかけることに伴って、肩こり・頭痛の症状につながっている方もおられます。
眼瞼下垂は、主には加齢によって生じることが多く、皮膚のたるみ(皮膚弛緩)が生じて瞼が被さって感じられる場合と、瞼を挙げる筋肉(挙筋腱膜群)が働きにくくなって瞼が被さってくる場合があります。
またハードコンタクトレンズの長期間装用も眼瞼下垂の原因となることがあります。

残念ながら加齢やハードコンククトレンズの長期装用による眼瞼下垂は自然に治ることはありません。
眼瞼の皮膚や眼瞼の縁が瞳の中心近くまで覆うようなれば病的な眼瞼下垂として保険診療での手術の対象となります。
皮膚のたるみだけの場合は皮膚切除のみを行い、眼瞼の縁自体が下がっている場合は皮膚を切開し、瞼を挙げる筋肉を短縮し瞼を引き上げる手術を行います。
瞼は血管が多い組織のため、術後皮下出血や腫れが目立ちますが、通常数週間で改善します。
両眼の下垂の方は両眼同時に手術を行います。
瞼がかぶさったようになり、困っておられる方は是非相談してください。

<眼瞼内反症手術>
眼瞼(がんけん)内反症とは、「逆まつ毛」と呼ばれるものの一部を指します。
逆さまつげのうち、瞼自体が内側を向いてしまい(内反)、広範囲にまつげと目の表面が接触して、角膜や結膜に傷がつく状態です。
逆まつ毛と呼ばれるものの中には本来のまつ毛が生える列以外の部分からまつ毛が生え、睫毛が眼球に当たってしまう睫毛乱生も含まれますが、これは眼瞼内反とは区別します。
症状としては充血、目やに、流涙、まぶしさ、チカチカするなどの異物感があります。
小児で角膜の傷がひどい状態が続くと視力の発達に影響がでる場合もあります。

小児の眼瞼内反症は自然軽快傾向のある疾患ですが、重症の場合や就学頃までに改善がなく上記のような症状がある場合は手術適応となります。
また加齢によって生じた大人の眼瞼内反症も自然軽快は見込めませんので手術適応となります。
年齢や内反の程度によって術式や麻酔方法が変わります。
当院では日帰り全身麻酔での小児の眼瞼内反症手術も行っております。

<斜視手術>

斜視とは両眼の視線が正しく見る目標に向かわないものを言います。
片眼の視線が内側や外側、あるいは上下に向いている状態です。
常にどちらかの視線がずれている場合と間欠的にずれる場合とがあります。
斜視の治療は大きく分けると、「手術による方法」と「手術以外の方法」があります。
どの方法が良いかは、斜視のタイプ・性質・年齢・全身状態などにより異なります。
眼位ズレや外眼筋の働き、屈折検査、両眼視機能などを詳しく、きちんと調べた上でどの方法が適切であるかを判断します。
手術適応の場合、成人は局所麻酔、小児は全身麻酔で手術を行います。
手術は目を動かす筋肉(外眼筋)の付いている位置を調整したり、筋肉自体を短縮することで、眼の位置を改善します。
当院では日帰り全身麻酔での小児の斜視手術も行っております。

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