院内研修〜PAP〜

031221勉強会

昼休みは参天製薬の担当さんがおいでになり同社の緑内障治療点眼薬「エイベリス®(オミデネパグイソプロピル)」の紹介を交えてプロスタグランジン(PG)製剤による副作用について解説してくださいました。
現在緑内障治療の第一選択として用いられるPG製剤は眼周囲に副作用を起こすことがよく知られています。眼瞼の多毛、色素沈着、眼窩周囲脂肪萎縮、上眼瞼溝深化(DUES)、眼瞼硬化等々。近年はこれらの副作用をまとめてプロスタグランジン関連眼窩周囲症(Prostaglandin-associated periorbitopathy : PAP)と称されています。
PAPも高度になってくると眼瞼が硬くなって眼球を圧迫気味になり眼圧上昇や緑内障術後の経過不良につながります。またそもそも眼圧を正確に測ることすら困難になってきます。
島根大学の谷戸教授がこのPAPのグレーディング(SU-PAP)を提唱しておられ、ご発表の論文やその大まかな内容を解説してくださいました。
参天製薬のエイベリスはPG製剤のなかでもPAPが少ないとされ当院でも重宝しておりますが、他の製剤と異なる短所として白内障術後には禁忌となり使えなくなってしまうという点があります。ちょっと思い違いをしており「
白内障術後眼には使えない」ではなく「白内障術後の患者さんには使えない」だそうです。つまり片目術後患者さんの反対眼にも使用を控えてくださいとのこと。添付文書の文面も紛らわしいので要注意です。大変勉強になりました。ご多忙中ありがとうございました。>参天さん