機種変更
白内障手術機械更新のため、本日は愛機NIDEK社製Fortasでの最終手術でした。
白内障から硝子体までトータルで行える機械でペリスタポンプ2系統装備、ハロゲン&キセノン光源、レーザー内蔵と開院当時こだわって導入した機器でした。ほぼ白内障手術での利用でしたが術中安定性も非常によく、もちろん定期メンテナンスはしてもらっていましたが12年間ほぼノートラブルで手に馴染んだ機体でした。黒銀の筐体もシブい思い入れのあるヤツです。お疲れ様でした。
そして次回手術日から活躍予定のAlcon社製CENTURION。灌流液を本体内加圧式(Active Fluidics)としハンドピースにもセンサー内蔵(ACTIVE SENTRY)、低眼圧低負担で安全性の高い手術が行えます。高級そうなキンキラ筐体もこれはこれでかっちょいい。使用するのが楽しみです。
院内研修〜マイボーム腺〜
火曜日の昼休憩は月例の院内勉強会でした。今回は事務さんが担当で眼瞼炎とマイボーム腺機能不全(MGD)等について解説してくれました。マイボーム腺とは上下瞼にある油の分泌腺であり、不調をきたすことでドライアイやものもらい、眼瞼の炎症など種々の症状の原因となります。またMGDはご高齢の方の原因不明の訴え(不定愁訴)の一因であることも多いです。瞼を温める温罨法、眼瞼縁を清潔に保つリッドハイジーンなど、当院でも手製パンフレットなど配布して「瞼のケア」を積極的に啓蒙しています。準備お疲れ様でした。
本日のお楽しみ弁当はこめ蔵さんのお弁当。写真撮り忘れましたが美味しゅうございました。
院内研修〜アイリーア8mg〜
昼休憩は、参天製薬の担当さんがおいでになり、近日発売になる硝子体注射薬アイリーア®8mgの説明をしてくださいました。現在当院でも多用している製剤(2mg)の高濃度版であり、通称4倍リーアなんだそうです。まずは加齢黄斑変性と糖尿病黄斑症から認可、今後近視性や静脈閉塞に伴う黄斑浮腫にも適応拡大予定とのこと。
高濃度となったことでも特に副作用、有害事象等の発生率は変わらず、効果の延長が望めるようです。なかなか終わりが見えない治療となりがちな加齢黄斑変性&糖尿病黄斑症において、年間当たりの投与回数減少が見込めるのはありがたいです。
惜しむらくはバイアル製剤なこと。フィルター針で吸って針付け替えて微細なエアを抜いて(これが大変)、と手間、操作が増えることでトラブルや汚染のリスクも上がります。現行と同じようなシリンジ充填済み(プレフィルド)製剤を早く出してもらえるとありがたいです。
お忙しい中ありがとうございました。>参天さん
第47回日本眼科手術学会学術総会
Deep set eye(奥目)の対処、散瞳不良はIFIS(術中虹彩脆弱症候群)の恐れあり、水晶体嚢の色素付着分布から水晶体傾斜(チン小体断裂)の予測など、術前の評価と備えの重要性を再確認しました。また眼球そのものの問題以前に患者さんのキャラクターとしての問題、認知症(安静保てない)や不安に対する対処などのお話も参考になりました。術中ビーズクッションをニギニギしてもらうと精神安定に良いそうです。当院ではスタッフさんがなるべく患者さんの手を握ってくれてますが、外回り業務でどうしても離れざるを得ない事も多々あります。クッション併用も検討してみようと思います。
今回の学会はポスターからして一世風靡した某アニメを意識しておられるようですが、会場内でもBGMに「Fly me to the moon」が流れているなど、なかなかの徹底ぶりでした。
あとこれまで自分の主な手術方式は一番オーソドックスなDivide & Conquer法の変法だと信じていましたが、じつはStop & Chop法という名前があるらしいことも新鮮な発見でした。また以前JSCRSで仕入れてきて硬い核に多用している方式、名前がわからず院内では適当に「穴掘りチョップ」などと呼称していましたが、正式名称はHole assisted Chop法ということがわかり、大変スッキリしました。
帰路「満月」さんへ。医院へのお土産に
大量の阿闍梨餅買って帰りました。
美味しいです。