今年最後の予定手術
本日は年内最後の予定手術日で、白内障6例&翼状片切除(結膜有茎弁移植)1例で締めくくりました。今年も難しい患者さんがたくさんおられましたが、皆さん大きな問題もなく無事終了することができました。執刀させて頂いた患者さん方、そして頑張ってくれたスタッフさん達には本当に感謝です。
今年はとくに後半、核硬度が高いカチカチ褐色白内障が多かった印象があります。「コロナが怖くて我慢してましたがいよいよ限界です」という患者さんが多数おられたためと思いますが、夏のJSCRS(屈折矯正手術学会)で聞いてきたコツが大変役に立ちました。当院の白内障手術は超音波で溝を掘って水晶体を分割していくオーソドックスなDivide & Conquer法を主とし、ある程度以上固い核にはPhaco Chop法という金属フックによる物理的カットを併用します。ただ極端に固くて大きい水晶体核は把持してしっかり深い所までカットする事が難しく、最初の2分割ができず花弁状になって四苦八苦することもしばしばでした。
なんとかチョップと名付けておられた様に思いますが、水晶体核の手前に深い穴を掘ったあと180度回転して対側に。フックをこの穴に差し込んでチョップするというものでした。水晶体核が暴れて逃げることもないため水晶体嚢や支持組織への負担も少なく、一番固い部分を確実に深いところで分割できるため非常に楽になりました。新しい器具も必要なくすぐに取り入れることができます。ほんのちょっとの工夫なんですがこういうことに気づくかどうかが我々凡人との違いなんでしょうね。目から鱗でした。
来年も眼内レンズや手術のアップデートもしっかり取り入れて丁寧な手術を心掛けてがんばりたいと思います。