鳥取大学眼科研究会へ

土曜日の夜は鳥取大学眼科研究会へ参加してきました。二名の看護師さんと視能訓練士さんも来てくれており、勉強熱心なスタッフ達で有り難い事です。
大学の先生方の演題のあと、特別講演は国立病院機構東京医療センターの山田昌和先生でドライアイについてお話頂きました。
我々も日常診療に多用しているフルオレセインによる前眼部染色の所見と考え方についてのおさらいと、ドライアイ治療を考える上で「ムチン」が非常に重要であることをお話頂きました。最近このムチンを改善する点眼として参天「ジクアス」、大塚「ムコスタ」と立て続けに登場しています。ムコスタはまだ新薬の処方制限があるため短期分しか出せず、ちょっと使い難い部分もありますが年内には解除とのこと。治療の選択肢が増えるのは有り難い事で、上手に使い分けしていきたいと思っています。

またお話の中で「人工涙液の有効時間は1分程度である」とのデータがあり、ちょっとショッキングでした。どうも差した瞬間のごく一時的な改善効果で「ほっとする」だけに過ぎず、眼表面のwash out効果も、同時に保護物質である大切なムチン等も流れてしまうため善し悪しであるとのこと。
普段日常診療の中で、コンタクトレンズ使用中ドライアイ症状を訴える方は結構いらっしゃいます。ある程度所見のある方にはなるべく装用を控えて頂いたり、防腐剤無添加のヒアルロン酸PF点眼を併用する場合もありますが、所見のはっきりしない軽度の方に対しては「人工涙液を併用しましょうね」なんて説明を半ば常識と信じてやっていました。
大変考えさせられるお話で、また今後の診療に役立てていきたいと思います。