色覚のお勉強へ

水曜夜は診療後ファイザー製薬主催のWebシンポジウムへ行ってきました。各地の会場をネットでつなぐ研究会です。当院ORTさんも参加して下さっており勉強熱心で有り難い事です。
「色覚の診かた!」と題して社会保険中京病院眼科部長の市川一夫先生が、色を感じる仕組みや検査理論の基礎から日常診療に役立つ知識迄幅広くお話下さいました。とくに年齢的な色覚の低下や白内障手術時の着色レンズについての考察などは興味深く大変参考になりました。白内障術後の色の変化というのは常々腐心するところなんですが、画家さんが術前術後それぞれ左右に描き分けた人形の絵などはすごく説得力がありました。ちょっとアシュラ男爵みたいでしたが・・

またもちろん先天性の色覚異常についても詳細に解説頂きました。
まもなく学校検診の季節がきますが、
色覚検査については毎年考えさせられます
色覚で差別があってはならないのは勿論ですが、だからといって検査自体しないというのは疑問に感じます。色覚異常は男性の5%(女性は0.2%)と比較的高頻度であり、40人クラスなら男子の1人という計算になります。以前より改善されたとはいえ職業選択や進学面での制限は厳然としてあります。軽度異常は自覚すらないこともあり、知らずに成長して社会に放り出されてしまうということもあり得ます。色の感じ方が他人とは少し違うんだということを、少なくとも本人ご家族&担任の先生には知って頂くことが必要ではないかと思います。
学校検診時の色覚検査の推奨(もちろんプライバシーへの配慮は十分に)を続けるとともに、担当している小学校3校(就将、崎津、彦名)の生徒さんについては、学校検診後も希望者は来院しての色覚検査をボランティアで受けつける予定です。